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森ちゃんの修理ブログ#4 ふつうの女の子に戻りたい

2015年8月 5日

今回は題名の通り、「ふつうの女の子に戻りたい。」 え!!


 

ではなくて、「ふつうのピアノに戻りたい」と声が聞こえましたというお話です。7月30日の、森ちゃんの修理ブログ#2 アッと驚く為五郎(脚の修理)の続編です。


 

脚の修理は完璧。
自信作でしたが、ピアノをチェックしておりましたら、かすかに声が聞こえます。

「ふつうのピアノに戻りたい・・・・・」。

脚の修理と外回りの掃除で受けたボールドウィン。
音を出してみると低い音がなんだかヘン。
パネルを開けて見るとなんか開いています。
よく見ると今度はハンマー(ピアノ内部にある、弦を叩く部品)の下側がぱっくり。
全部で12個パンクしていました。これは大変とD様に連絡を差上げました。


 

 


 

 


 

ピアノのハンマーは低音部から高音部まで1台分を1枚のフェルトから作ります。
ハンマーフェルトは原反は1枚の大きなフェルトの板状なもので、10台分前後取れます。
3cm程の厚さがテーパーになっていて薄いほうは1cm位になっています。これを7~8CM前後の幅でカットし肩を落として横から見ると台形のかたちにします。
これにハンマーウッドという横から見ると鏃のような形の1枚の板を押し付け熱と圧力を掛けて巻きつけます。
言葉で言うと簡単そうですが、ここが究極の職人技が発揮されるところで、ピアノの音が良くも悪くもなり、気に入られないと2度とご注文が頂けません。
これで低音から高音まで一本のハンマーが出来ます。
これを1cm前後にカットして個々のハンマーが出来ます。


 

なぜこんな話かといいますと、ハンマーは1台セットで作るんです。
低音部はフェルトが厚く圧力が強い為パンクしやすいのですが、中音~高音も一緒に製作しているので、同質のつくりになっています。
つまりパンクが始まると別の部分もいずれパンクします。
パンクするとハンマーの圧力がなくなるためパワーが無い貧相な音になります。


 

たまに開いた部分にボンドを入れて糸でぐるぐる巻きにしてあるピアノを見ることがありますが、炭酸の抜けたビールのような音になっています。


 

 D様に訳を話して、ボールドウィンの為にハンマー交換を御願いしました。ご了解いただきまして早速ハンマー工場に各音程の見本を渡し、そっくりに作りよう依頼しました。出来上がりが楽しみです。次回をお楽しみに。


 

「ふつうの女の子に戻りたい」 ― 昭和52年 キャンディーズ ―


 

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