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はかせののんびり教室 【ピアノのしくみ編】 第13回

2015年4月10日

よいこのみんな、コンニチハ!
はかせぢゃよ!



今回と次回で、ピアノの進化の歴史を追っていきたいと思う。

浜松市楽器博物館にご協力いただき、面白い写真を色々撮らせてもらったんぢゃ!
ぜひ楽しんでくれたまえ!



今回はピアノの誕生から、現在のグランドピアノの形になるまでの変化を見ていく。
進化の途中でなくなってしまったものもたくさんでてくるので、今のグランドピアノと見比べてみることをおすすめするゾ。



ピアノの誕生

1700年頃、イタリアのバルトロメオ・クリストフォリ (Bartolomeo di Francesco Cristofori) が、それまでの鍵盤楽器チェンバロやクラヴィコードとはちがう音の出し方をする新しい楽器を発明した。



チェンバロは弦をはじいて音を出す。ある程度大きな音が出るが、強弱がつけにくい。



クラビコードは弦を金属片 (タンジェント) でたたいていた。強弱をつけたりヴィブラートなど表現力があるが、音量が小さい。



クリストフォリの楽器は、革をまいたハンマーで弦をたたくという形で、強弱の表現力を持ちつつ大きな音も出せるため、評判になったのぢゃ。

その特徴からこの楽器は、『gravecembalo col piano e forte (ピアノとフォルテが出せる大きなチェンバロ) 』という名前をつけられた。
現在でもピアノの正式名称は『ピアノフォルテ』じゃが、誕生した当時から、弱音 (ピアノ) と強音 (フォルテ) が出せるというのがピアノの特長だったわけぢゃな!

現在のこっている最古のものは1720年に作られたもので、メトロポリタン美術館に所蔵されておる。



その後1726年に、ドイツのジルバーマン (Gottfried Silbermann) が、クリストフォリのアクションをよりかんたんにしたものを開発し、ツンペ (Johannes Zumpe) によってイギリスに紹介された。
その後イギリスとドイツで別々の進化をしていくことになるのぢゃ!



ウィーン式アクション (German action または Viennese action)

シュタイン (Johann Andreas Stein) によって1770年代中ごろに発明された。

写真は浜松市楽器博物館所蔵、1812年 G.アントニオ製作。



クリストフォリ、ジルバーマン、そして現代のピアノとはちがい、鍵盤にハンマーがついておる。



ハンマーの反対はしが、奥の方にあるエスケイプメントにひっかかり、シーソーのようにハンマーがはね上げられるため、別名『はね上げ式』と呼ばれておる。
その構造のため、現在のグランドピアノとはハンマー、ハンマーの支点の位置が反対になっている。

軽快な音とタッチが、当時の宮廷音楽の軽やかな感じにマッチしていたのぢゃ。



イギリス式アクション (English action)

1770年ごろにバッカース (Americus Backers) が、ジルバーマンのアクションにエスケイプメントを追加したピアノを発表した。



そのエスケイプメントがハンマーを突き上げるかたちのため、別名『突き上げ式』と呼ばれておる。
現在のアクションにおけるジャックとおんなじぢゃ!

その後、ブロードウッド (John Broadwood) やストダート (Robert Stodart) らにより、更なる改良が加えられた。



イギリス式アクションの特徴は、ウィーン式アクションにくらべて力強い音と重厚なタッチが魅力ぢゃ。
ベートーベンもイギリス式アクションに魅せられた一人だそうぢゃ!

写真は浜松市楽器博物館所蔵、1800~1802年 J.ブロードウッド製作。



フランス式アクション (French action)

イギリス式アクションを元に、フランスではエラール (Sebastian Erard) とパープ (Henri Pape) がアクションを改良していた。

写真は浜松市楽器博物館所蔵、1842年 エラール製作。



1821年にエラールによって、レペティション(反復)レバーが初めて追加された。
これにより、同じ音の連打(反復打弦)がきくようになったんぢゃ!



これが今のグランドピアノのアクションの特徴『ダブルエスケイプメント』の原型となったのである。



鉄骨フレーム

むかしのピアノは鍵盤の数も現在のものより少なく、弦もチェンバロなどのような真鍮、鉄の細いものを使っていたため、ピアノにかかる力はかなり小さかった。

ピアノにかかる力を比べると、現在のピアノぢゃと20トン (大人285人くらいの体重) もの力がかかっておるのに対して、クリストフォリのピアノでは760Kg (大人10人くらいの体重) くらいのものぢゃった。

そのため、現在のような強い金属フレームは必要なく、木を組んで作られていたのぢゃ!



しかし音楽を聴くお客さんも増えていき、大きな会場で大きな音を出すために、より強い力で弦を張ることが必要になってきた。

1820年ごろには鉄製支柱の補強が入ったピアノが生まれてきた。



高音側だけ補強が入ったものからはじまり、



低音まで補強の入ったもの、



最後には現在のような鋳造フレームへと変化していったのぢゃ。

同様に、弦も強い力に耐えられるように、鋼鉄製ものに変わってきたんぢゃよ!



交差弦

昔のピアノは、低音から高音までの弦が平行に張られていた。
そのため、弦の音を響板につたえる駒は、響板のはじっこのほうについていたんぢゃ。



1853年にスタインウェイにより、高音弦と低音弦を交差させる配置が発明された。

これにより駒の位置が響板の真ん中のほうに配置され、より響板を響かせやすくなったのぢゃ!



ペダル

現在のピアノのペダルは、右側から
ダンパーペダル、ソステヌートペダル、シフト(ウナコルダ)ペダルとなっているが、



古いピアノにはその他のペダルを持つものも少なくない。



ソフト・ペダル
弦とハンマーの間にフェルトが入り、柔らかい音色に変化する。
シフトペダルができるまでは、ソフトペダルというと、このタイプのものが主流だったのぢゃ!

アップライトピアノのマフラー(弱音)ペダルとおんなじぢゃな。



ドラム・ペダル
響板上にあるベルと響板下にあるバチが連動し、ベルと太鼓を模した音が同時に出るにぎやかなペダルぢゃ!



ファゴット・ペダル
低音弦の上の木片に付いている紙が弦に触れてビリビリという音を奏でる。
ファゴットの音をまねしたので、ファゴットペダルと呼ばれておる。



デュープレックス・スケール

弦において、ハンマーがたたいて振動する部分は、駒までになっておる。



デュープレックス・スケールとは、駒から奥の部分も共鳴するような長さに設計して、より豊かな響きを得ようとする工夫ぢゃ!



共鳴する部分を増やす工夫として、ブリュートナー社の『アリコート・システム』というものもある。

こちらは、ハンマーがたたく弦以外にもう一本弦を追加し、より響くようにしたものぢゃ!



どうぢゃったかの?
ピアノ誕生当時から、どのように現在のグランドピアノのようなかたちに変化していったか分かったかの?



次回は、アップライトピアノの誕生から、現在の姿に変わっていく過程を紹介するゾ!
それでは今回はここまでぢゃ!サラバぢゃ!!



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