ゴールデンウィーク休業日のお知らせ

作業工程

代表的なオーバーホール(極コース)の工程をご紹介いたします。
※ピアノの状態により作業内容が変動する場合がございます。

張弦

解体

ピアノは数多くのパーツから構成されています。それぞれの作業をしやすいように、いったんバラバラに解体します。

フレーム再塗装

長年使用したピアノのフレームは、傷や欠け、ほこりや汚れ、サビなどで薄汚れてしまっています。
適切な下地処理を施した後、再度金粉塗装をすることにより、新品のような状態を復活させます。

響板再塗装

長期間の温度湿度の変化や環境により響板塗装はヒビ割れ、茶色く変色したり、ゴミなどを取り込んでベタベタに汚れてしまうものもあります。
このように劣化した響板の塗装を剥離し、必要に応じて適切に修復作業を施した後、響板用塗料で数回に分けて丁寧に再塗装します。
※フレームを外した時に、駒割れ・響板割れ・響棒剥がれが発見されることがありますが、有料にて修理を申し受けます。

ブッシュ、ピン打ち込み

フレーム塗装に伴い、ピンブッシュを新しいものに交換します。
チューニングピンは、調律回数などにより、新品の状態より多少ピンが緩くなっているので、適切なサイズのピンに交換して、ピンの固さ(トルク)を調節します。
また、新しいチューニングピンに交換することにより、錆びてしまったピンも元々の輝きを取り戻します。

巻線

巻線は、汚れのたまりやすい部分のひとつです。ここに埃がたまると、埃が水分を呼び、水分がサビを生み、雑音(ジン線・ボン線)が発生しやすくなります。
新しい巻線と交換することにより、見た目も綺麗になります。

張弦

より美しく、より正確に、フレームを傷つけることのないように、決められた番手の弦を決められた巻き数で、ねじれのないように張っていきます。

塗装修理

※ピアノの外装の状態や塗料の種類等により、作業内容が変動する場合がございます。
下記の工程は、代表的な修理内容の一例になります。

塗膜剥離

塗料の改良発展にともない、ピアノの世界でも様々な塗料を使用してきました。数ある塗料の中には、相性の悪い塗料もあります。
その場合、元々塗ってあった塗料を剥離することによって、使用する塗料本来の性能を最大限引き出します。

スプレー塗装

ピアノの塗装は幾重にも塗り重ねられ、複雑な形状でも均一に吹き付ける技術が必要です。さまざまな塗装の組み合わせの知識や、均一に吹き付ける能力を持つ熟練した技術者により、耐久性に優れ、深みのある美しい塗装がなされます。
なお、日々進化改良されている塗料の中で、常により適切な塗料の開拓がなされ、品質向上の更なる努力も忘れてはいけません。

研削

弊社ではベルトサンダーを使用し、手研削では難しい平滑度、作業スピードを目指します。

磨き

平滑にサンディングされた塗面をいくつかのコンパウンド並びにバフを使用して段階的に磨き込んでいきます。
最終的には鏡のように写り込むと同時に、発色やより深みのある仕上がりになります。
弊社では大型の3連バフをはじめ、縦バフ、回転バフ等それぞれの適性に応じた機材の使用により、スピードと質の両立を日々邁進しています。

金属磨き

金属磨き

長年使用したピアノで一番分かりやすい変化が、金属類のサビ変色です。
状態に適した機械・研磨剤を使用しサビ落とし・磨きを行うことで、くすんでいた金属パーツが見違えるように本来の輝きを取り戻します。

アクション

ブライドルテープ交換

ピアノの連打性能に関わる重要なパーツです。虫食い、劣化によりテープが切れていることが良くあります。
新しいものに貼り替えて、ピアノの本来の機能を取り戻します。

ハンマー交換

一般的に使用頻度により、ハンマーフェルトに弦の溝が深くついてしまった場合などは、ファイリングで対応します。ファイリングを数回繰り返すとハンマーは使用限度に達してしまい、ハンマー交換が必要になります。
ハンマーの位置がずれてしまうと、音量やアクションの動きなどに影響する場合があるので、打弦点、角度などに気をつけます。

ダンパー交換

中古ピアノのダンパーは、劣化が激しいもので、虫食い、磨耗などの影響を受けています。
ダンパーはピアノの音を止める重要なパーツ。リニューアルすることによって見た目はもちろん、演奏での使用感もよみがえります。

アクション掃除

ピアノの内部、普段あまり手入れのできない部分ですので、長年のホコリが積もったり、ヨゴレがアクションの木部に沈着しています。
ピアノにとって肝の部分ですので、丹念にホコリを取り去り、木部のシミもサンドペーパーを掛け、見栄えも良くします。

バットコード交換

ピアノによっては、年数がたつとバットコードが切れてしまうものがあります。
バットコードが切れてしまうと、ハンマーの戻りが悪くなり、連打しにくくなったり、タッチに影響が出ますので、切れにくい素材のものに交換します。

鍵盤

白鍵アクリル交換

ピアノで一番触れることの多いパーツ鍵盤。ピアノを構成するパーツの中で最も使用感が目立つ部分です。
新しい上面と交換することによって、キズが無く真新しい、真っ白な鍵盤に戻ります。

ブッシングクロス交換

使用頻度や置かれていた環境などにより、鍵盤ブッシングクロスが磨耗していたり、虫に食われていたりすると、鍵盤が必要以上にガタついてしまい、弾き心地がよくなかったり、アクションや鍵盤の調整が反映されにくくなってしまいます。
綺麗にはがして、適切な厚みのクロスに貼り換えます。

鍵盤掃除

長年使用したピアノ内部の木部には、予想以上に汚れがたまっています。
研磨紙などにより、鍵盤のホコリ、汚れを除去します。

鍵盤バフ

研磨剤を付けた回転バフ機で、鍵盤表面のわずかなキズなどを更に磨き上げることにより、美しい光沢が得られます。

整調

整調

ピアノの内部機構を、そのピアノに合った寸法に調整することにより、ピアノのタッチを引き出します。
新しいパーツはなじむまでは変化しやすいため、シーズニング~調整を何度か繰り返します。

調律

調律

弦の張り具合を調節して、各音の音の高さを1本1本調整します。
新しい張った弦は伸びやすいため、弦が落ち着くまでに何回か調律する必要があります。

出荷調整

出荷調整

ラインの工程が終わって倉庫に保管していたものを、出荷前に再度、仕上げの調整を行います。

出荷調律

前工程で調律をしてなじませた弦を、出荷前に再度、細やかな調律を行います。

外装修正

ここでは工程中に付いた傷、磨き残し等を徹底的にチェックして磨き上げます。
傷の深さやさまざまな現象に対応する臨機応変な修理能力が必要とされ、長年の経験と適切な判断能力を持つ熟練された作業者により完成度が高められます。

出荷検査

出荷検査

担当検査員が全体を検査し、良否を判定します。
不良箇所が発見された場合、その不良の該当作業者に戻され、修正作業後に再度検査を行います。